中部鍛工の鍛造技術

追求し続けてきた品質の高さと確かな仕事術。

PROCESS

より優れた製品を生むための当社の一貫生産ラインをご紹介します。

金型設計

01  金型設計
鉄はさまざまな条件により膨張します。そのため、お客さまからいただいた加工図のとおり仕上げるためには、鍛造用の図面を製作する必要があります。これを当社では『金型設計』と呼んでいます。 最終形状にいたるまでに「つぶし」や「粗取り」などの前工程を行い精度の高い製品に仕上げます。

①お客様から加工図(2次元または3次元)をお預かりします。お預かりした加工図を鍛造用(鍛造肌が残らない加工、傷が入りにくい加工など)に変換した図面を作成し、お客様ご確認いただきます。※1 
②お客さまにご確認ご承認いただいたのち、金型設計図面を起こします。

金型製作

02 金型製作
①金型設計の「②」で作成した図面をもとに金型加工用のプログラムを組みます。その後、各加工機にプログラムを流して金型を製作します。
②金型が適正に製作されたかをノギスや板ゲージを用いて十分に検査して金型の完成です。

鍛造工程1 鍛造工程2

03 鍛造工程
①鋼材は、厳選された国内一流メーカーから仕入れています。 
②鋼材は用途によってビレットシャーやメタルソーなどで切断します。
③鋼材を加熱して柔らかくすることで、加工しやすくします。この工程は「鉄を焼く」と表現しています。鋼材の加熱方法は加工方法などにより「電気加熱」と「油加熱」に分かれます。
④鍛造は加熱された鉄などをプレスやハンマーで「たたく・型押し」します。
⑤型どおりに変型した鉄の不必要な外枠などをトリミングプレス(型打ち、バリ抜き)します。

熱処理工程1 熱処理工程2 熱処理工程3

04 熱処理工程
①焼入れ(硬くする) 
変態点(組織の構造が変化する温度)まで上昇させ一定時間置き、急速に冷却することを焼入れと言います。硬くすることが焼入れの目的ですが、硬化の程度は鋼材に含まれる炭素量などで決まります。また、鍛造品が大きいほど冷却速度が遅くなり、これを質量効果と言います。長尺物を熱処理する際、質量効果を念頭に置いて工程設計します。

②焼もどし(強靭にする)
焼入れによってマルテンサイト化して硬くなった鍛造品は、そのままではもろく、割れなどが生じやすい状態です。「焼もどし」は更に再加熱して硬さを調整しながら、粘りや強靭性を高めます。焼入れと焼もどしはワンセットで行い、硬くて丈夫な製品づくりには欠かせません。焼入れだけで作られた鍛造品、工具や部品はすぐに破損したりキズが付いたりして使い物になりません。焼入れには「低温焼もどし」と「高温焼もどし」があります。

③焼ならし(組織を均一にする)
鋼材は、鍛造によって生じたひずみにより組織が不均一となっているため、強度などの機械的性質が不十分です。そこで、鋼の組織を均一化、微細化するのが「焼ならし」です。変態点より高めの温度で再加熱したのち、空冷することで結晶粒が微細化し強靭性が向上します。同時に残留応力(外部からの力や熱が内部に残る現象)を除去します。

検査仕上げ工程1 検査仕上げ工程2

05 検査仕上げ工程
①ショットブラスト
回転ドラムの中に鍛造品を入れ、細かい粒状のショット材を吹き付けることで表面を削り取り、滑らかに仕上げます。ショット材は、製品材料や目的に応じて異なります。空洞(穴の中)部分など機械的に加工しにくい複雑な形状も、薬品を使用せずに研磨できるのが特徴です。

【ショットブラストの目的】
・表面酸化膜の除去
・表面層の改質
・表面の粗さの均一化
・塗装・めっきの下地づくり

②検査(外観目視)
③磁気探傷(じきたんしょう)または磁粉探傷といって、磁粉液をふりかけた鍛造品に磁化電流を流します。 傷があると磁粉液が傷に集まり光ります。人の目では確認できない小さな傷などを発見します。
④検査を通過した製品に防錆合成剤(さび止め)を噴霧し、お客様が加工するまでに錆びないようにします。
⑤いよいよ出荷です。世界中の都市開発などで活躍する建機部品を高品質で提供致します。

SDGs